早期退職のリアル

【体験談】地方公務員を早期退職 ~ 職場ではどう思われたのか(1)

「定年退職まで勤める」という終身雇用制度の要となる労働者の行動が最も模範的に残っているのが、地方公務員の分野だと思います。

そんな地方公務員を、定年より5年(定年延長後は9年)も早く退職するというのは、一見「穏やかではない話」です。

実際に辞めることを職場で口にした場合、どんな状況になるのか、以下の順に、私の体験談をお話しします。

  • 職場に話をしたタイミング
  • 職場ではどう受け止められたか
  • いつまで勤めるかわからない職場に話すのは最後に・・・
  • 仕事は最後までしっかり取り組もう。

これから話す体験談が、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。

職場に話したタイミング

これまでも40代で早期退職や転職を意識し、50代前半で家族ともしっかり話すようになった・・・というお話をしてきましたが、親しく気が置けない同僚や、最も信頼してた部下を除いて、職場にはそのことを話していませんでした。

ただ、あまりに突然であれば、職場に迷惑をかけることもあります。

私が勤めていた職場の場合、一番規模の大きい人事異動のタイミングである4月に向け、前年の12月ぐらいから次年度の人事異動の作業が動き出します。

私も礼儀として、職場にかかる迷惑を最小限にすべく、意思表明するタイミングには少し気を使いました。(自分はそうではありませんが、優秀で組織に重宝される方であれば、なおさら必要です。)

まず、最初に話したのは直属の上司だった部長。私の人事評価や昇任・異動内申をする立場の方です。

当然、部長も、幹部や人事部門から、次年度に向けた人事等のヒアリングを受ける訳ですが、その時期も12月です。そのため、私はその前の11月にある業績評価の面談時に、退職の意向を告げました。

職場にはどう受け止められたか

部長も最初は驚きを隠せなかった様子でしたが、ありがたいことに私の組織での評価や、次年度の内申予定など、普段以上に突っ込んだ話をいただき、その上で強く慰留を受けました。

しかし、退職の意向が40代のころからの想いだったことや、家族とも十分コミュニケーションを取った末に出した結論であったことなどを説明すると、簡単に決めたことではないと感じられたのか、部長も慰留を諦めた雰囲気でした。

というか、(当事者を目の前に、どこまで本音でお話をいただいているのかは想像の域を出ませんが・・・)退職することは労働者の権利でもあり、個人の意向を組織が覆すのは簡単ではなく、部長としても最後はそう言わざるを得なかったのかもしれません。

ただ、その後12月に私の退職意向が、部長の口から幹部や人事部門に伝わると、慰留はもちろんのこと、なぜ早期退職しなければならないのか、今の仕事や組織の問題点も含め、かなり細かくヒアリングを受けました。

少なくとも早期退職を「叱責される」ということはありませんでしたが、やはり想定外ではあったようで、特に組織側としては「なぜ辞めるのか」「何が問題なのか」という点が、どうしても気になっていたようです

やはり自分のように「地方公務員を早期退職」という行動は、「定年退職」が前提になっている組織にはなかなか理解されない・・・というか、普通の行動ではないのでしょうね。

職場に話すのは、「本当の決心」がついてから

数年前の管理職への昇任試験時も、早期退職の構想があったため、一度は固辞したのですが、その際にも、受験を進めて来た当時の上司には将来の構想を話すことはありませんでした。

いくら構想は持っていても、いつ実現するのか、その時点ではわからないのですから、中途半端に話をすることは、組織の中で自らの立場を悪くしかねません。

話をするにしても、それは「揺るがない決心」ができたあとにすべきです。

それは、辞めることが前提となっている状態で仕事をするのは、何だか微妙な状況になることも多いからです。

組織からすると、辞めるとわかっている人に、大きな仕事や今後の方針について、判断を委ねることはありません。

それはそうですよね・・・

私の場合、意向を話したのは退職まで3~4か月を残した時期でしたが、やはりその後は、仕事上の「今後の大事な話」はやりにくかったです。

私はそうではありませんでしたが、人によっては必要以上に、居ずらさを感じるかもしれません。

「社会人としての礼儀は守りつつ、組織に退職の話をするのは、できるだけ最後に・・・」というのが、私の体験から導き出す答えということになります。

仕事は最後までしっかり取り組もう

年度末の退職に向けて、意向を組織に伝え、人事編成などに影響が出ないよう最低限の配慮は行いましたが、特に心がけたことがもう一つあります。

それは「今の仕事は手を抜かず、最後までしっかりやり遂げる」ということです。

「大事な話」はやりにくかった・・・とお話ししたとおり、ある種の「仕事のやりにくさ」は芽生えます。

当たり前のことですが、だからといって、今の仕事をおろそかにしていい訳がありません。

人によっては退職という先が見えた瞬間に、目の前の仕事がいい加減になったり、有給休暇の消化が最優先事項になってしまうかもしれません。

もちろん、権利である有給休暇を使い切ること自体は決して悪いことではありませんが、気持ちよく退職の日を迎える上ではどうなのでしょうか。

その職場が完全なブラック企業であったり、酷い状況であれば違いますが、自分の場合、30年以上もお世話になり、場合によっては退職後も、お世話になる可能性だってゼロではありません。

そんな職場に対する「礼儀」として、今まで以上に気を引き締めて職務を遂行しようと思いましたし、実際にそのように行動できたと思っています。

ここまで、上司への退職の報告を中心に、体験談を述べさせていただきましたが、次は退職が同僚等に伝わった後の状況も報告しますので、参照して下さい。

今日の体験談が、少しでも皆さんの参考になれば、幸いです。

ランキングに参加しています。宜しければ以下をワンクリックお願いします。 ↓

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 50代セミリタイア生活へ
にほんブログ村
セミリタイアランキング
  • この記事を書いた人

松尾知真

九州在住50代、元地方公務員(中間管理職)。 子どもの就職を機に、これまでの生き方 を変えるべく、33年間務めた公務員を早 期退職し、WEBライター等フリーラン スとして活動開始。 【主な資格・業務経験等】 フィナンシャルプランナー2級技能士、 クラウドワークスWEBライター検定3級、 公共不動産取得業務経験10年超、 【趣味・スポーツ経験】 株式投資、債券投資、 Jリーグ観戦マニア(ブログ展開中)、 サッカー4級審判経験あり、 バドミントン30年超継続中、 ソフトテニス経験有

-早期退職のリアル