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どちらがお得?「賃貸か持ち家か」本当に考えるべき条件について

人生の三大費用をご存じでしょうか。

一般的に言われているのは「住居費」「教育費」「老後費用」です。

「教育費」については、ご子息の費用となりますので、誰もが避けられないという意味では「住居費」と「老後費用」ということになります。

そのうち今日は「住居費」の中で議論のある「賃貸か持ち家か」について、早期退職を機に「持ち家」から「賃貸」に住み替えたばかりの管理人が、自身の経験も踏まえて、独自の視点でまとめてみたいと思います。

住居の選び方

持ち家と賃貸どちらがお得か

実際に「住居費」に関する議論は大きく次の3つが話題になります。

「持ち家か賃貸か」

「新築か中古か」

「マンションか一軒家か」

他にも「都市部に住むのか、田舎に住むのか」といった視点も考えられますが、一般的にいわれている3つの視点に絞り、さらに今日は「持ち家か賃貸か」について掘り下げてみます。

確かにどちらがお得なのかわからないけど、まずは家を買うか、借りるかは大きな違いですね。

「持ち家か賃貸か」のポイントは

「持ち家と賃貸、どちらがお得か」という永遠のテーマに対して、ポイントとなる点をまとめると、以下のとおりになります。

  1. 「持ち家か賃貸か」はメリット・デメリットがはっきりしており、何を重要視するのかで、どちらに優位性があるかは異なる。
  2. 人生最大の買い物となる持ち家については、「資産」として考える必要がある。
  3. リスクを小さくするのであれば賃貸に優位性がある。
  4. コストパフォーマンスは持ち家が高い。
  5. 双方のメリット・デメリットを、それぞれのライフプランとしっかり照らし合わせることが肝要。

以上を踏まえて、それぞれの「持ち家」「賃貸」それぞれのメリット・デメリットを考察していきましょう。

「持ち家」のメリット・デメリット

まずは持ち家、つまり住居を自己所有する形態でメリット・デメリットを見てみましょう。

持ち家のメリット

【メリット1】持ち家は資産として価値がある。

自分のものであるということは、「不動産」の所有者であることです。自宅は不動産市場で売買できる立派な資産となります。

もちろん、売却だけでなく、人に「賃貸」として運用することも可能です。また、資産として子孫に残したいと思う方も多いのではないでしょうか。

【メリット2】持ち家は老後も安心して暮らせる。

自分の所有物であるのは、精神的な安心感も大きくなります。自分のものですので、「追い出される」「住む家がない」とうことはありません。

賃貸のデメリットでも触れますが、「健康面」「金銭面」などの理由で高齢になればなるほど、物件を借りにくくなる傾向があるのは否定できません。そういったことからも、「自分のもの」であることは大きなメリットと言えるでしょう。

【メリット3】持ち家は、自由にリフォームなどのカスタマイズができる。

建物にしても、庭にしても自分の裁量で自由に変えることができます。壁紙にこだわったり、設備を充実させたり、思い切って間取り変更することも可能です。

また、庭のある一軒家ならば、庭いじりや野菜栽培など敷地全体の活用も、趣味として楽しむことができます。

【メリット4】賃貸に比べ、持ち家は設備などスペックが高いものに住める。

比較する賃貸物件のグレードにもよりますが、同じ資金をかければ、分譲住宅・マンションの方が、賃貸物件より建物の機能性は高くなります。

具体的には遮音性・断熱性・各設備のグレードなどです。こういった点は私のように、両方に住んで比較してみないと実感しにくいかもしれませんが、一般的に購入用物件の方が値段は高く、特にマンションの賃貸でも分譲タイプの家賃が高くなることからも間違いないところです。

持ち家のデメリット

【デメリット1】持ち家は「高い買い物」であるため、金銭的リスクがあり、売却も簡単ではない。

新築であっても中古であっても、一つの物件に対しは人生で最大の支出となります。千万単位の購入をし、大半の方が住宅ローンを組まれると思いますが、いずれにしても巨額の債務を背負うことになります。

そもそも流動性の低い「不動産を所有する」ということには一定のリスクはつきものです。

実際に管理人は、現在所有している自宅を売りに出しています査定額は私が考えていた額とほぼ同程度で、市場に出している価格も若干上乗せはしていますが、査定額に近い額です。

しかし、市場に出して3ヵ月経過しましたが、内見その他動きはあるものの成約に至っていません。

物価高騰の折、リフォーム費用も上がっていることと、金利動向が不透明な点も影響しているようですが、やはり買う立場の時とは違い、売る立場は受け身であるため、どの程度の価格で売れるのか心配です。

【デメリット2】持ち家は賃貸に比べ、簡単に住み替え、引っ越しが出来ない。

持ち家として自己所有する場合、一度買ってしまえば、何度も売買するのは手間や経費を考えればかなり非効率です。

そのため、欠陥住宅、使い勝手など物件の問題だけでなく、隣人トラブルなど周辺も含めた住環境が気に入らなくても、簡単に住み替えはできません。

【デメリット3】持ち家も、修繕・メンテナンス・税金などの「維持費」はかかる。

持ち家であれば、支払う家賃等はありませんが、維持管理は所有者の責務となります。

具体的には屋根・外壁・内装・設備・庭木のメンテナンス費用、シロアリ駆除の費用に毎年支払う固定資産税など、マンションか一軒家かで支払う内容も変わりますが、これだけの費用は必要です。

マンションであれば管理費や修繕積立金として毎月徴収されますが、一軒家だと固定資産税以外は不定期に発生するため、月々の費用がどれくらいかかるのかがわかりにくくなります。

生涯の住居費で見れば、ネット上ではよく「賃貸>持ち家(マンション)>持ち家(一軒家)」といった試算を見かけますが、これも前提をどうするかで結果が異なるため、結論を出すのは難しいところです。

ただ言えるのは、家賃支払いがない、マンションの管理費がないからといって、持ち家の一軒家の維持管理費が安いとするのは早計です。

この点だけは十分に認識しておきましょう。

「賃貸」のメリット・デメリット

上記で述べた「持ち家のメリット・デメリット」のほぼ「裏返し」となりますが、以下賃貸のメリット・デメリットをまとめてみたいと思います。

賃貸のメリット

【メリット1】何か問題があっても、賃貸なら簡単に住み替えができる。

簡単に住み替えができない持ち家に比べ、その気になれば何度も住み替えが可能です。

もちろん敷金・礼金・引っ越し費用などの経費はそれなりにかかるので、頻繁に行うのはいかがなものかと思いますが、それでも「やり直しが効く」というリスクの少なさは持ち家に比べ大きなメリットと言えます。

【メリット2】売買に比べ、持ち家は賃貸は選択肢が多い。

賃貸は年度末の3月など、時期によって多くの物件が市場に出回ります。

売買物件に比べれば、特に規模の小さいものを中心に物件のバリエーションは豊富です。

【メリット3】賃貸は維持管理責任がない。

賃貸はあくまでも物件を借りているだけなので、維持管理の責任はオーナー側にあります。維持管理に手間暇をかける必要がない点は大きなメリットです。

管理人自身も「持ち家」から「賃貸」に住み替えたばかりですが、「持ち家」の時はちょっとでも不具合があると心配になったのですが、賃貸は「自分のものではない」ため、あまり気になりません。

その点はかなり気楽です。

ただ、物件にかかる維持管理費用も含めて家賃が設定されていると思いますので、「維持管理費用が少ない」と考えるのは早計です。

【メリット4】賃貸は自分の経済状況に合わせ、住宅費をコントロールできる。

一度購入してしまうと、設定した住宅ローンを払い続けないといけない持ち家に比べ、賃貸は「収入が高い時は家賃が高い物件に住んで、収入が低くなると家賃が安い物件に住み替える」といった柔軟な生活設計も可能となります。

管理人も、現状は夫婦と成人した子ども1人の3人暮らしであるため、3LDKの賃貸マンションに住んでいますが、子どもが結婚し独立すれば、さらに賃料の安い2LDKに住み替えるつもりです。

やはりリスク管理という点で賃貸が優れているのは間違いないようです。

【メリット5】勤めている会社に、賃貸の家賃補助制度があれば、さらに有利に。

家賃を一定割合で補助してくれる「家賃補助」がお勤めの会社の福利厚生メニューにあれば、さらに家賃負担が軽減されます。これは会社によって、ある場合とない場合がありますので、まずはしっかり確認しましょう。

賃貸のデメリット

【デメリット1】賃貸は「自分のもの」ではない。

持ち家との決定的違いはここになります。

いくら払っても、それは物件の対価ではなく、借りている対価ですので、どんなに家賃を払っても自らの資産になることはありません。

【デメリット2】賃貸は自由にリフォームすることが出来ない。

借りている以上、設備その他変更したいと思っても、オーナーの承諾が必要なのはもちろん、勝手に手を入れることはできません。

例えば最近はペットを飼う方も多いようですが、何が可能で何ができないのか事前に条件をしっかり確認しておくことが大切です。

【デメリット3】持ち家と違い、賃貸には「住む場所」があるという安心感がない。

借りものである以上、オーナーの都合で退去を求められるリスクは常にあります。オーナー側に立ち退きを求める正当な理由があれば、借主はどんなに物件を気に入っていたとしても最終的にそれを拒むことはできません。

【デメリット4】老後を考えると、賃貸は物件が借りにくくなる

特に高齢になると物件を借りにくくなります。

オーナー側からすれば、現役世代でなく収入も限られる滞納面の不安や、健康面の不安が出てくる高齢者を敬遠する傾向もあるようです。(2016年10月に国土交通省住宅局が公表した「家賃債務保証の現状」)

これから少子高齢化が進む日本では、このような傾向は少しづつ改善する気もしますが、入居時や更新時の審査が厳しくなることは覚悟しておいた方がよさそうです。

「持ち家」と「賃貸」、かかる費用の比較だけではナンセンス・・・大きな視点で判断を。

以上、「持ち家か賃貸か」という視点で両者を比較してメリット・デメリットを述べて来ましたが、大事なポイントをまとめます。

持ち家は資産としての視点が必要。

そもそも「持ち家と賃貸」は「買うか借りるか」という全く異なる行為の比較になりますので、単に「どちらがお得か」という視点だけで判断するのはとてもリスキーだと思われます。

そもそも色んな試算があり「同じ費用なら持ち家の方がスペックはよくなる」という傾向はありますが、これもどんな物件設定を行うかで結果は大きく異なります。

それよりも「持ち家」は人生最大の買い物であるという視点を強く持つ必要があります。

買った瞬間から持ち家そのものが「資産」となる以上、「資産価値」がどうなのか、長期的視点は欠かせません。

賃貸と持ち家のお得議論はそれぞれの価値観・ライフスタイル次第、でも確実に言えること

「持ち家」は「資産」ということを述べましたが、ここで難しいのは持ち家であるマイホームは「夢の実現」という価値観を持つ方も多く、単純に経済比較やリスク管理だけでは語れない部分もあることです。

リスク回避を考えれば、圧倒的に賃貸の優位性が高いですが、大事な点は、自分たちがどんな生活を送りたいのか、今の経済状況はどうなのか、どんな安心感を求め、どんなリスクを嫌うのか、そこには個人や家族全体のライフスタイルをどう過ごしたいのかが大きくかかなってきます。

当然、ライフスタイルを考える上では、今だけでなく、10年後20年後はどんな生活をしたいのかをしっかり考える必要があります。

マイホーム購入を検討される方はご家族持ちの方も多いと思いますが、経済性だけでなく、まずは家族でどんな生活を送りたいのか、想像することや話し合うことが一番大切ですね。

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  • この記事を書いた人

松尾知真

九州在住50代、元地方公務員(中間管理職)。 子どもの就職を機に、これまでの生き方 を変えるべく、33年間務めた公務員を早 期退職し、WEBライター等フリーラン スとして活動開始。 【主な資格・業務経験等】 フィナンシャルプランナー2級技能士、 クラウドワークスWEBライター検定3級、 公共不動産取得業務経験10年超、 【趣味・スポーツ経験】 株式投資、債券投資、 Jリーグ観戦マニア(ブログ展開中)、 サッカー4級審判経験あり、 バドミントン30年超継続中、 ソフトテニス経験有

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